心臓バイパス手術
心臓バイパス手術
心臓の冠状動脈バイパス手術とは?
心臓がポンプの役割をもって全身にいつも血液を送り続けるには、心臓そのものに「栄養である血液」を常に送ってあげる必要がある。この心臓に栄養を送る血管を冠状動脈といい、その数は3本あり、その冠状動脈が動脈硬化で血液の流れが悪くなり詰まってしまった。このままでは心筋梗塞をひき起こすとのことで手術となった。症状が軽ければステントをカテーテルを通し患部に入れ、詰まったところを拡げるだけで終わりとなるが、私の場合は冠状動脈全部が複雑に詰まってステント挿入では改善できないとの診断が下り、3つの冠状動脈全部にバイパス手術を行うことになった。
これを、道路工事に例えると理解が早い。土砂崩れで道路の大部分が通れなくなった。そこでこの土砂を片付ける工事を行って自動車や人が通れるようにするのが一般的なやり方だが、そうしなくて土砂で埋まっている場所はそのままにして、その手前から土砂のない先の場所まで別に道路を作って人も車もそっちも通れるようにするのがバイパス手術である。
そこで、そのバイパス手術のために3月25日入院、27日の朝から手術となった。前日にお風呂に入り石鹸で全身をきれいに洗っておいたのに、当日さらにお風呂できれいにするように看護師さんに指示をされ、お風呂から上がると手術着がおいてあった。真っ白い手術着をつけ、そこから手術室へ向かう姿は、まさに切腹に向かう浅野内匠頭を思い出させた。違うのは、こちらは生きて帰れることである。